【国登録有形文化財】南木神社
〈構成要素〉本殿・拝殿・幣殿・築地塀
建立の経緯
建水分神社の摂社である南木神社では楠木正成公を祀っており、延元元年(1336)に湊川で戦死した正成公を後醍醐天皇が悼み、翌年に建水分神社の境内に社殿を建てたとされています。
現社地へ遷座したのは元禄10年(1697)のことで、社殿が傾いていたのを当地の領主であった下館藩主石川総茂が再興しましたが、昭和9年の室戸台風により老松が倒れて崩壊してしまいました。現社殿は戦時中の昭和15年(1940)に建てられたものです。
建物の構造
この神社は建水分神社の摂社ですが、当時としては破格の官幣社建築に準じて設計されました。台湾檜による白木造りで、屋根は当初は檜皮葺でしたが現在は銅板葺になっています。
本殿は装飾が少ないですが、大棟には菊水の棟紋があり、建具にも菊水の錺金物(かざりかなもの)が付けられています。拝殿は本殿にくらべて装飾が多い造りになっています。
築地塀の構造は全て鉄筋コンクリート造りで、漆喰仕上げとしています。本殿奥側の塀は急こう配で高くなっており、屋根の塀目板瓦は勾配分部分のつなぎ目が垂直になるよう独特の瓦が使われています。

南木神社 正面

築地塀
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更新日:2024年08月07日